卒業式などのシーンでよく着用されている「袴」ですが、卒業式シーズンに袴だけで過ごすとなればまだまだ寒いと感じやすいでしょう。

「寒いから、袴だけしか着ないというわけにはいかない…」「でも、和服に合う上着がわからない」

このようなお悩みを抱えている時に、ぜひ参考にしてもらいたい内容をまとめました。

袴の上から着用する上着は「羽織」が一般的！

普段の格好では、防寒のためにコートやダウンなどを着用する人が多いでしょう。

しかし和装と洋服では合わせるべきアイテムが変わり、日頃着用している洋服用の防寒具は合わせられない場合がほとんどです。

袴のような和装に合わせる防寒具で、最も一般的なのは「羽織」です。

羽織とは、着物や袴などの和装に合わせる裾の長いカーディガンのようなアイテムのことです。

特に、膝下よりも長い丈の羽織は「長羽織」、それよりも少し短い丈の羽織は「中羽織」と呼ばれています。

どちらも前衿を折って、紐で前を結んで着用します。

羽織は歴史の深いアイテムで、以前は男性のための上着として流通していました。

ところが江戸時代以降になると、暖かく着心地が良いことから女性の間でも話題が広がり、性別に関係なく着用するアイテムになりました。

防寒具として着用するのはもちろんのこと、薄手の素材の羽織やレース素材の羽織も展開されているため、暑い時期にも着用できます。

また、一般的に防寒具は屋外で着るものであり、屋内に入ったら脱ぐことがマナーとされています。

しかし羽織は色々なシーズンで着用できることから、着用したまま屋内に入っても問題ありません。

冷房の効いている室内で肌寒いと感じたときなどにも、あると便利な一着となるでしょう。

ただし、マナーとして「男性の場合、羽織は第一礼装に合わせる」ということを覚えておきましょう。

女性であれば「第一礼装に合わせない」ことが基本となるので、混同しないよう注意が必要です。

ちなみに女性の袴は第一礼装には当たりませんので、羽織を合わせても問題ありません。

コートを合わせるなら「和装コート」を選ぶ

防寒具として着慣れている「コート」を着用したいなら、洋服用のコートではなく「和装コート」を選びましょう。

和装コートとは、洋服用のコートと似たアイテムでありながら、着物に合わせることを前提に作られているコートです。

そのため、衿や袖がゆったりと作られているほか帯なども着崩れにくくなっていて、きれいな着姿をキープできます。

防寒効果も高く、とても寒い日にも最適です。

ただし、やはりコートなので、室内では脱ぐ必要があります。

礼装らしい上品な装いを実現するなら「道行」

道行とは、礼装として着用される和装用の上着のことです。

いわばコートのような役割を果たすアイテムですが、フォーマルな装いに合わせることができます。

道行の場合は特に、衿元が四角いフォルムとなっていてクラシカルな雰囲気を演出してくれるのが特徴です。

ただし本来、道行は着物用のアイテムです。

袴は着物と違って裾の広がりが特徴的なため、ものによってはあまりシルエットがきれいに見えないかもしれません。

実際に袴に道行を合わせながら、印象の良いアイテムを探してみましょう。

華やかな印象になる「和装ショール、ストール」

例えば成人式などでは、振袖にファーのようなアイテムを合わせているスタイルを見かけることも多いでしょう。

このようなアイテムは、「和装ショール」や「和装ストール」というように表現されます。

見た目が華やかでかわいらしい印象になるのはもちろんのこと、首周りや上半身を温めてくれる効果も期待できます。

ショールやストールは、コートのような防寒具というよりも、マフラーなどに近い感覚でラフに使えるでしょう。

どうしても冷やしやすくなってしまう首回りを中心に、しっかりと温めてくれます。

デザインによっては首だけでなく肩周り、上半身全体を包み込んでくれるため、より暖かい着心地のアイテムがお好みであれば防寒効果の高いショール、ストールを探してみてください。

そして和装ショールやストールを着用するときにも、室内に入ったらきちんと外すというマナーを覚えておきましょう。

まとめ

寒い季節に袴を着用するのなら、和装のイメージを崩さずに着用できる上着も合わせて用意しておきましょう。

羽織や道行のほか、和装用のコートやショール、ストールなどを用意することで、袴とマッチした上品なスタイルを実現しましょう。

成人式サロンKiRARAでは、振袖や袴の魅力的なスタイルを実現するためのお手伝いをいたしますので、これらのスタイルを実現する際にはぜひご相談ください。